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私はアクリル絵具を用いて、自身の視覚的な記憶を象徴的かつ力強いイメージへと変換する作品を制作しています。過去の記憶――ときに断片的で曖昧なもの――をポップカルチャーやノスタルジア、グラフィックな表現を通して再解釈し、視覚化することが私の試みです。絵を描くという行為は、私にとって内面の歴史にアクセスし、それを他者と共有可能なかたちで提示するための、セラピーのようなプロセスになっています。
1990年代のポップカルチャーにどっぷり浸かったアメリカで育ち、いまは日本で暮らす私の作品には、二つの文化を行き来する視点が反映されています。日常のささやかな瞬間やメディアのアイコン、看板、そして平面的でカートゥーン的な美学を取り込みながら、記憶と文化がキャンバスの上でぶつかり合い、混ざり合うような視覚的リミックスを生み出しています。その結果生まれるのは、遊び心にあふれながらも意図的に構築された空間であり、見る人に共通の文化的な記憶を呼び覚ますと同時に、その奥にある私自身の物語を感じ取ってもらえるようにしています。
制作においては、アクリル絵具とキャンバスというシンプルな手法にこだわり、強い色彩と明快なフォルムで構成しています。この視覚的な明瞭さは、記憶そのものの感覚 ― 削ぎ落とされ、象徴化され、感情が込められたもの ― を反映しています。
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東京を拠点に活動するアメリカ出身の画家です。ソウルに生まれ、記憶やポップカルチャー、そして日常にあふれる視覚的な言語から着想を得て、アクリル絵画を制作しています。作品は、ノスタルジーと鮮やかな色彩、グラフィカルな形、そして自身の体験に根ざした平面的で遊び心のあるスタイルを融合させたものです。
プロダクトデザインのバックグラウンドを持ち、そこで培ったグラフィックの明快さや構図のバランス感覚を絵画にも取り入れています。ファインアートの領域では、記憶とデザイン思考の両面から、自分なりのビジュアル・ランゲージを探求しています。
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1978年 韓国・ソウルに生まれる
1980年 アメリカ・テキサス州に移住
2002年 Art Center College of Design(カリフォルニア州パサデナ)卒業|BFA(イラストレーション専攻)
2002年 American Illustration にて2作品が “Chosen” に選出
2002年〜2009年 フリーランス・イラストレーターとして活動(主なクライアント:New York Times、Boston Globe、東芝、Toll Brothers)
2010年〜2019年 プロダクトデザイナーとして勤務(AT&T、Rogers Canada、Parkland Hospital)
2019年 日本・東京に移住
2019年〜2024年 Indeed Japan プロダクトデザイナー
2025年〜 アーティスト
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